【相続コラム】相続税申告のポイントについて
1.始めに
愛知県岡崎市(西三河地域)を中心に、相続税申告等の相続業務のサポートを行っております、宮島税理士事務所です。
お客様から相続税申告の対応において、ポイントを簡単に教えて頂きたいと言われることがあります。
今回のコラムでは、相続税申告のポイントを簡単に述べさせていただきます。
2.相続税申告のポイント
相続税申告に関して(相続人の確定、財産評価の方法等の説明は省きます)今回はポイントになる点を説明させて頂きます。
① 相続財産の確認
まずは、被相続人の相続財産を確定させる必要があります。下記の金融資産の調査以外では、一般的に不動産の財産評価に時間を要します。
例 ⅰ不動産(ご自宅等)、ⅱ 有価証券 ⅲ現金預金 ⅳ 生命保険等 ⅴ その他
② 現金預金の調査
生前の預金動向調査(例 生前贈与、名義預金、高額な預金引出し金の使途等)は、相続税申告書作成のポイントになります。
被相続人の生前の預金調査において、預金引出金(使途不明金)等がある場合は特に調査が必要になります。
その中で、預金引出金(使途不明金)の中に、相続人に対する生前贈与等が無いかを把握する必要があります。
③ 贈与(暦年贈与)について
贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。
したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません。
但し、相続税申告実務においては、以下の注意点があります。
注意点
(1) 相続により財産を取得した人が、被相続人からその死亡前3年以内に受けた贈与は相続財産とみなされ、相続財産に加算します。
この場合、110万円以下の贈与も加算の対象になります。
相続人が令和3年5月5日に死亡した場合は平成30年5月5日~ 令和3年5月5日間の贈与が対象になります。
(2) 贈与が成立していること
贈与が成立されていない場合、税務署は、貸付財産として相続財産に計上するように指導します。
税務上の贈与は時効(6~7年)がありますが、貸付金に時効はありません。
尚、今回のコラムでは贈与が成立しているかどうかの詳細は省略します。
(3) 参考事項ですが、贈与税の控除枠110万円は贈与する側でなく、贈与される側で判断します(各受贈者ごと)。
④ 名義預金について
名義預金という言葉をお聞きになったことはありますか。
名義預金とはそもそもなんでしょうか。
名義預金とは、簡単に言えば、他人名義で預金口座を開設し、入出金の管理支配は本人が行っている預金のことを言います。
身近な例では、おじいちゃんがお孫様名義の預金口座を開設したが、預金そのものをおじいちゃんが管理支配している場合等です。
相続税の申告においては、名義預金がないかどうか必ず確認する必要があります。
⑤ 有価証券、生命保険等
有価証券(株式等)も上記預金同様、名義株が無いか調べる必要があります。
また、生命保険に関しては、生命保険の契約者、負担者、受取人に関しての状況を整理し、課税関係を確認する必要があります。
⑥ 遺産分割協議書の作成
遺産の分割方法(配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例活用等)により相続税の総額が変わる場合があります。
また、1次相続(今回)だけでなく、2次相続(将来)を含めて、トータルで相続税納付額が低く収まるように検討する必要があります。
なお、遺産分割方法は、税金等のアドバイスも参考に、最終的に相続人間で協議決定することになります。
3.終わりに
今回は、相続税申告の重要ポイントを簡単に説明させて頂きました。
相続税申告に関しては、申告期限が10カ月以内である中で、様々な事項を調べる必要があります。
その中でも、上記掲載の事項は念入りに調査し対応する必要があります。
最後に、相続税申告で、ご相談のある方は、一度弊事務所にご連絡頂ければ幸いです。