前回のコラム(2015年10月8日)にて、お子様名義の預金~贈与を中心に~ついて解説させていただきました。
今回のコラムでは、相続時に於ける専業主婦名義の預金についてお話させて頂きます。
名義預金が問題になる場面⇒相続時~専業主婦名義の預金~
相続時おいて、妻(亡夫の扶養義務者 無職・無収入 )が多額の妻名義の預金を持っていた場合はどうなるのか。
妻の独自の財産なのか、それとも名義預金(旦那の相続財産)なのか、税務当局としばしば争いになります。
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税務当局が確認する点
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イ 奥様名義の預金は旦那さんの稼ぎから形成されていないか。
ロ 奥様は、独自の収入があったのか。
ハ ご主人から贈与があったのか。⇒但し、へそくりは、原則、被相続人(旦那さん)の財産になります。
二 3年以内の贈与(相続財産として計上)は無いのか。
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税務当局とのトラブルを避けるために
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イ 奥様名義の預金については形成過程を説明出来るようにしておく。
年金収入 パート収入 ご両親からの相続財産等
ロ 奥様名義の預金は、自分で管理支配しておくこと。
ハ 旦那様からの贈与で資金を形成した場合には、適切な贈与処理をする(前回2015年10月8日コラム参照)。
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注意点
名義預金の立証は、基本的に、税務当局にあります。
そして、妻名義の預金が名義預金(旦那の相続財産)として認定されると本税+加算税(10~35%)が掛かります。
奥様の場合、配偶者の税額軽減(注)があるから、あまり問題がないと考えるかもしれません。しかし、相続財産の増加は、他の相続人の相続税額に影響あります。
さらに、奥様の名義預金に関し、仮装・隠蔽(重加算税)だと認定されると、認定された名義預金部分に関し、配偶者の税額軽減が受けられませんので注意が必要です。(注)配偶者の税額軽減 配偶者の法定相続分相当額か1億6千万までの(いずれか大きい金額)相続財産は、配偶者が取得する場合、相続税がかかりません。
尚、名義預金は税務調査において争点になります。
弊事務所でも相談に応じていますので、ご相談のある方は、一度弊事務所にご連絡頂ければ幸いです。