【相続コラム】自社株式の買取について
相続コラムにて自社株式の評価等について2回ほど掲載しました。
今回は自社株式の買取りについて、会社の業績が順調な事業承継を考えているお客様からの質問を中心に。以下述べさせて頂きます。
質問:自社株式を会社で買い取ることは出来るのか。
自社株式を会社で買い取ることは原則可能である。
但し、分配可能額(注1)の範囲内という制限があること、純資産合計が300万円未満の場合
には、買い取ることは出来ないことには注意が必要です。
従って、自社株式の買取が出来る会社は、業績が好調で資産が蓄積されている会社が対象なります。
(注1)分配可能額とは、貸借対照表の純資産部の合計から「資本金・資本準備金・利益準備金を差し引いた金額です。
質問:自社株式買取りで有効な利用法を教えて下さい。
相続時の納税資金の確保が得られます。
解説
後継者が先代から自社株式を相続した場合、納税資金の確保という問題が生じます。
特に、会社の業績等が好調な場合、相続時の自社株式の相続評価金額も高くなります。
そこで、後継者が相続した一部の自社株を会社に売却することにより、納税資金を確保できます。
その他、相続時においては、後継者以外の相続人の自社株式を、会社で買い取ることにより、後継者に経営権を集中するのも有効です。
但し会社に自社株を買い取る現金等を確保しておく必要があります。
質問:自社株式を売却した場合の、個人の税金について教えて下さい。
譲渡価額が譲渡する会社の資本金等の金額を超える場合には、原則としてみなし配当課税が課されます。
但し、一定の要件に合致すると、相続により取得した株式は譲渡所得課税(通常みなし配当課税より有利です)になります。
尚、自社株式の売却に、ご興味ある方は、一度弊事務所までお尋ね下さい。