【相続コラム】納税額が間違っていたことに気がついたら
質問
相続税の申告は、法定申告期限が10ヶ月以内と短く、申告業務に慣れていない相続人の方々にはかなりの負担になります。
先日、お客様から仮に、誤って税金を多く納めていたり、もしくは少なく納めていたことに気がついた場合、どのように対処すればよいかお尋ねを受けましたので、簡単に解説させていただきます。
回答
相続税は、納税者自らが計算をして納める、いわゆる「申告納税制度」という方法がとられています。
計算間違いなどで税金が正しく納められていなかった場合には、訂正をすることになるのですが、「多く納めていた場合」と「少なく納めていた場合」とでは訂正の仕方が異なります。
まず、「多く納めていた場合」は、「更正の請求書」という書類に訂正事項を記載して提出します。
その際の注意点は、原則として申告期限から5年以内に訂正しなければならないということです。
つまり、5年経過したあとに多く納めていた事実に気がついても、原則として税務署は受け付けてくれません。
尚、従前は更正の請求の期限は1年以内(平成23年12月2日より前に法定申告期限が到来する国税)でしたので、改正により制度としては、利用しやすくなりました。
一方、「新たな財産の発見等により税金を少なく納めていた場合」は、「修正申告書」を提出して不足している税金を納めることになります。
過少申告加算税の金額は、新たに納めることになった税金の原則10%相当額です。
なお、「更正の請求」「修正申告」のいずれも手続き等は大変ですので、期限内に出来るだけ正確な申告書を作成する必要があります。
特に、相続税の申告は専門知識が必要ですので、専門家である税理士に依頼することをお勧めします。