【相続コラム】相続税の連帯納付義務について
先日、お客様より相続税の連帯納税義務について質問を受けました。
皆様の参考になると思われますのでコラムを書かせて頂きます。
質問
税務署から相続税の納付について、「他の相続人が相続税を納めていない場合」の通知がある場合、相続税を完納した相続人は、他の相続人の相続税を負担する必要はあるのでしょうか。
回答
基本的には相続税を負担する必要があります。
解説
相続税の納付については、相続により取得した財産の価額を限度として、「他の相続人が納付すべき相続税を連帯して納付しなければならない」という義務が定められています。
これを「連帯納付義務」といいます。
簡単に言うと、本人が相続税を完納している場合でも、他の相続人が相続税を納付していない場合には、納付しなければならない場合があるということです。
但し、まず、未納の相続人に督促状が送られます。
それから一定期間が経っても納付されなければ、他の相続人に連帯納付義務が予告されることになります。
なお、この制度は以前からいろいろ問題が指摘されていました。
そこで、平成23年度改正では、連帯納税義務者が負担する延滞税を平成23年4月1日以降に対応する分から利率が低い利子税が適用されるようになりました。
また、平成24年度改正では平成24年4月1日以後に申告期限等が到来する相続税より、申告期限等から5年を経過するまでに連帯納付の通知を受けなかった場合や、納税義務者が延納または納税猶予の適用を受けた場合などについては、連帯納付義務を負わないことになりました。