【相続コラム】個人所得税に関するお勧めの節税制度等
前文
12月が近づき、平成27年もあと一ヶ月あまりで終了です。
相続税に関心ある方には、不動産所得者、事業所得者、給与所得者等様々な方がお見えになると思われます。
特に12月は年末調整等もあり、個人所得税に関する節税制度等に改めて興味が生じる時期です。
以下では、現在私がお勧めする個人所得税に関する節税制度等に関し説明させて頂きます。
解説
1位 小規模企業共済制度の加入
この制度は、私のコラムでも度々紹介しています。
小規模企業共済制度は掛金が毎月1000円~7万円の範囲内で自由に選べ「全額所得控除の対象」となります。
また、将来の共済金が「退職所得扱い」となります。但し加入条件(個人事業者、会社経営の役員等)がありますので、すべての方々には利用できません。
2位 個人型確定拠出年金の加入
個人が各自で管理する年金制度です。
具体的には、個人が複数ある金融商品の中から運用商品を選択し、掛金を積立て、将来運用の金額を年金等で受け取る仕組みです。
この制度のメリット、掛金が「全額所得控除の対象」となります。
例えば、個人事業者の場合、年額最高81万6千円掛けられます。
また、運用時の収益が全額非課税になります。
例えば、運用中、金融商品を売却し、利益がでても所得税は課税されません。
さらに、受給時に受取額は、退職所得や雑所得になりますので、退職所得控除や公的年金控除等の活用により、税金の優遇効果があります。
但し、注意点は小規模企業共済と異なり、60歳までは解約(引出し)が出来ない点は要注意です。
尚、この制度は2017年から今後対象者が拡大される見込みです。
3位 ふるさと納税の活用
ふるさと納税に関しては、皆様もお聞きになったことがあると思われます。
お世話になったところや応援したいところなど、自由に寄附をする都道府県や市区町村を選ぶことができます。
寄附をした場合、寄附額のうち2,000円を超える部分について一定限度額まで原則として全額が所得税と住民税から控除されます。
この制度の魅力は、なんといっても、2,000円の負担のみで、寄付した金額に対する地方の特産品等を頂ける点です。
尚、寄付金額には一定限度額があり住民税の約20%がひとつの目安になります。
4位 少額減価償却資産の損金算入規定の活用
この制度は、青色申告書を提出する個人事業者が少額減価償却資産(取得価額が30万円未満である減価償却資産で一定のもの)の取得等をして事業の用に供した場合には、その事業の用に供した日を含む事業年度において、当該少額減価償却資産の取得価額に相当する金額につき損金経理をしたときは、その損金経理をした金額を損金の額に算入するというものです。
一事業年度300万まで利用できます。尚、この制度は青色申告である中小企業者等の法人も利用できます。
5位 中小企業倒産防止共済制度の活用
こちらの制度は、事業をなされている個人事業者様の決算対策でお勧めするものです。
支払掛金が全額損金(最高年額240万円)になり、決算月(12月)の加入でも間に合います。
この商品のお勧めは40カ月以後に掛金の全額が戻るという点です。
戻り金額は雑収入になりますが、例えば、比較的所得が生じた年に制度に加入し、所得が低調な時に解約すれば、節税効果が期待できます。
また、「取引先の倒産」により不測の事態に直面した場合に、迅速に資金を借りられる点も魅力です。
この制度は、課税の繰延がより効果的な法人も加入できます(詳しい要件は今回は省略)。
以上、私の独断の順位で制度を簡単に解説しましたが、個人所得税に対するお勧めの節税制度等の詳細を知りたい方は、一度弊事務所にお尋ね下さい。