【相続コラム】平成29年税制改正の大綱(相続税関連を中心)について
始めに
新年明けましておめでとうございます。今年も一年よろしくお願い致します。
新年初めのコラムになりますので、私が気になる平成29年税制改正の大綱(相続税関連を中心)について簡単に解説させていただきます。
解説
① 広大地評価の見直し
そもそも広大地とはどんな評価規定と思われるかもしれません。
一例をだすと、岡崎市(市街地)で500㎡以上の土地を有しているとします。
その土地を、ハウスメーカーが戸建住宅の開発を行う場合、道路の開設が必要な時があります。
そのような場合、土地に潰れ地が生じます。
結果、潰れ地の評価を考慮して、通常の土地評価額から▲42.5~65%評価減を認める規定が広大地です。
広大地の規定は、土地の評価額減が大きいため(実際の取引価額と大きく乖離する場合がある)、適用要件(その地域の認定・評価単位・路地丈開発・標準的使用)の解釈等で納税者と税務署サイドで争いがしばしば生じます。
改正では、広大地の適用要件の明確化、評価方法の見直しを行い、現状の広大地規定の問題点を整理する方向です。
但し、規定の詳細は、今後発表の予定です。なお、改正は平成30年1月1日以降の相続から適用になります。
② 取引相場のない株式の評価見直し
取引相場のない株式(自社株式)の評価方法が改正されます。
内容は、類似業種比準価額方式が改正されます。
現行は利益がでている会社の株価評価が高くなるので、事業承継を控える会社は利益が出しづらい状況にあります。
改正では、現行より利益水準の株価評価への影響が少なくなります。
頑張る会社(利益が出ている会社)を応援するスタンスです。なお、改正は平成29年1月1日以降の相続・贈与から適用になります。
③ タワーマンション節税(高層階ほど相続税の節税になる)について
改正により、平成29年4月以降取得の新築のタワーのマンションの固定資産税と不動産取得税は増加します。
一方、税制大綱によると、固定資産税評価額そのものの改正は明記されていません。
従って、固定資産税評価額に基づいて評価するタワーマンションの相続税評価額に変更はありません。
つまり、タワーマンション節税は存続です。
終わりに
上記の相続税の改正(大綱案)は今後の相続税申告にも多大な影響があると思われる項目です。
特に広大地の改正は資産家にとって相続税が増税になる可能性がありますので、要注意です。
尚、本コラム内容を含め、相続税対策等に興味があるお客様は、一度幣事務所にお尋ね下さい。